点数計算で最も複雑に感じるのが符の計算です。基本符・面子符・雀頭符・待ち符を合算して10の位に切り上げるルールですが、頻出パターンを覚えれば実戦では十分対応できます。
符計算とは
符(フ)は麻雀の点数計算に使われる要素の一つです。手牌の構成(メンツの種類、雀頭の牌、待ちの形、アガり方)に応じてポイントが加算され、翻数と合わせて最終的な点数を決定します。
5翻以上は満貫以上になるため符の計算が不要です(点数早見表)。つまり、符計算が必要なのは1〜4翻の手に限られます。
符計算の全体の流れ
符の計算は以下の要素を合算し、1の位を切り上げます。
- 基本符: 副底20符(門前ロンなら門前加符10符を足して30符)
- メンツ符: 各メンツの種類に応じた符
- 雀頭符: 雀頭の牌に応じた符
- 待ち符: テンパイの待ちの形に応じた符
- ツモ符: ツモアガりの場合に2符加算
合計 → 1の位を切り上げ(例: 32符 → 40符)
基本符(副底)
| アガり方 | 基本符 |
|---|---|
| 門前ロン | 30符(副底20符 + 門前加符10符) |
| 門前ツモ | 20符(副底のみ。別にツモ符2符が付く) |
| 副露(鳴き)あり | 20符(副底のみ) |
どのアガり方でも出発点は副底20符です。門前でロンしたときだけ「門前加符10符」が足されて30符になります。
鳴いた手は副底20符から数え始めますが、合計が30符に届かない場合は30符に切り上げます(例: 役牌ポンだけの手は 20 + 4 = 24符 → 30符)。
特殊なケース
| 条件 | 符 |
|---|---|
| 平和ツモ | 20符固定(ツモ符も付かない特例) |
| 平和ロン | 30符固定 |
| 七対子 | 25符固定(符計算なし) |
平和と七対子は特例として符が固定されるため、以下の計算は不要です。
メンツ符
メンツの種類と牌の種類によって符が異なります。
メンツ符の一覧表
| メンツの種類 | 中張牌(2〜8) | 么九牌(1, 9, 字牌) |
|---|---|---|
| 順子 | 0符 | 0符 |
| 明刻(ポン) | 2符 | 4符 |
| 暗刻 | 4符 | 8符 |
| 明槓(大明槓・加槓) | 8符 | 16符 |
| 暗槓 | 16符 | 32符 |
重要なポイント
- 順子は常に0符: メンツ符に影響しません
- 暗刻は明刻の2倍: 自力で集めたボーナスです
- 槓子は刻子の4倍: カンをすると符が大幅に増えます
- 么九牌は中張牌の2倍: 1、9、字牌の方が符が高い
明刻と暗刻の判定
ロンアガりの場合、ロンで完成した刻子は「明刻」扱いになります。
この手は一萬と五筒のシャンポン待ちです。
一萬をツモった場合、一一一萬は自力で集めた暗刻(么九牌暗刻 = 8符)です。
しかし、一萬でロンした場合、一一一萬はロンで完成した明刻扱い(么九牌明刻 = 4符)になります。
雀頭符
雀頭(ペア)の牌に応じて符が加算されます。
| 雀頭の牌 | 符 |
|---|---|
| 数牌(1〜9) | 0符 |
| オタ風(場風でも自風でもない風牌) | 0符 |
| 場風牌 | 2符 |
| 自風牌 | 2符 |
| 場風かつ自風(ダブ東など) | 2符 |
| 三元牌(白・發・中) | 2符 |
場風かつ自風の雀頭を「2符 + 2符 = 4符」とするルールもありますが、雀天はMリーグルールと同じく2符です。
雀頭符の具体例
- 東場の南家で、雀頭が東 → 場風で2符
- 東場の南家で、雀頭が南 → 自風で2符
- 東場の東家で、雀頭が東 → 場風かつ自風でも2符
- 東場の南家で、雀頭が西 → オタ風で0符
- 東場の南家で、雀頭が白 → 三元牌で2符
待ち符
テンパイの待ちの形によって符が異なります。
| 待ちの形 | 符 | 説明 |
|---|---|---|
| 両面待ち | 0符 | 例: 三四で二or五待ち |
| シャボ待ち | 0符 | 例: 三三+七七でどちらか待ち |
| カンチャン待ち | 2符 | 例: 三五で四待ち |
| ペンチャン待ち | 2符 | 例: 一二で三待ち、八九で七待ち |
| 単騎待ち | 2符 | 例: 雀頭が1枚で残り1枚待ち |
待ちの判定に注意
複数の解釈ができる場合は、点数が高くなる(有利な)解釈を採用します。
条件: リーチ、子のツモ、四索でアガり
この手の二三四四索の部分は、四索のアガり方を2通りに読めます。
- 解釈A: 二三索の両面待ちに四索が来た(二三四索 + 四四索の雀頭)→ 待ち符0符
- 20 + ツモ2 + 一一一萬の暗刻8 = 30符
- 解釈B: 二三四索が完成していて、四索の単騎待ちに四索が来た → 待ち符2符
- 20 + ツモ2 + 暗刻8 + 単騎2 = 32符 → 40符
高くなる解釈Bを採用して40符です。同じ手でも一索でアガった場合は両面待ちの読み方しかできないため30符になります。
ツモ符
ツモアガりの場合、2符が加算されます。
ただし、平和ツモの場合はツモ符が加算されない特例があります(20符固定)。
符計算の実例
例1: シンプルな手
条件: 子のロン、六索でアガり、東場の南家
- 基本符: 30符(門前ロン)
- メンツ符: 順子のみ → 0符
- 雀頭符: 五筒(数牌)→ 0符
- 待ち符: 七八索の両面待ち → 0符
- 合計: 30符
この手は平和の条件を満たすので、30符固定です。門前ロンで30符になるのは平和の手だけです。雀頭・待ち・刻子のどれかで1つでも符が付くと、32符以上になって40符に切り上がります。
例2: 暗刻を含む手
条件: リーチ、子のロン、六索でアガり、東場の南家
- 基本符: 30符(門前ロン)
- メンツ符: 一一一萬(么九牌暗刻)= 8符
- 雀頭符: 五筒(数牌)→ 0符
- 待ち符: 七八索の両面待ち → 0符
- 合計: 30 + 8 = 38符 → 切り上げ40符
例3: 鳴きあり + 役牌雀頭
条件: 子のロン、九索でアガり、東場の南家
- 基本符: 20符(副露あり。門前加符は付かない)
- メンツ符: 發發發の明刻(么九牌)= 4符、二三四萬・三四五索・七八九索は順子で0符
- 雀頭符: 中中(三元牌)= 2符
- 待ち符: 七八索の両面待ち → 0符
- 合計: 20 + 4 + 2 + 0 = 26符 → 切り上げ30符
鳴いた手は副底20符から数えるため、役牌ポン程度では30符に届きません。30符未満は30符に切り上げます。
例4: ツモアガり
条件: 子のツモ、四索でアガり
- 基本符: 20符(門前ツモ。門前加符はロンのときだけ)
- ツモ符: 2符
- メンツ符: 九九九索(么九牌暗刻)= 8符
- 待ち符: 三五索のカンチャン待ち = 2符
- 合計: 20 + 2 + 8 + 2 = 32符 → 切り上げ40符
例5: カンを含む手
条件: 子のロン、發を明槓していた場合、六索でアガり
- 基本符: 20符(副露あり。明槓も副露です)
- メンツ符: 發發發發の明槓(么九牌)= 16符
- 雀頭符: 五筒(数牌)→ 0符
- 待ち符: 七八索の両面 → 0符
- 合計: 20 + 16 = 36符 → 切り上げ40符
符計算の早見表
実戦でよく出る符のパターンをまとめます。
| パターン | 符 | 特徴 |
|---|---|---|
| 20符 | 平和ツモ | 門前ツモで平和成立 |
| 25符 | 七対子 | 七対子固定 |
| 30符 | 最も多い | 平和ロン、鳴いた手の大半、平和でない門前ツモの大半 |
| 40符 | やや多い | 平和でない門前ロンの大半(リーチのみなど) |
| 50符 | たまにある | 么九牌の暗刻を含む暗刻2つ(門前ロン)など |
| 60符以上 | 稀 | 么九牌の暗刻3つ(門前ロン)、么九牌の暗槓を含む手など |
符計算の練習問題
問題1
条件: リーチ、子のロン、六索でアガり、東場の南家
基本符30 + 一一一索(么九牌暗刻)8符 + 両面待ち0符 + 雀頭(数牌)0符 = 38符 → 40符
問題2
条件: 子のツモ、四萬でアガり
基本符20 + ツモ符2 + 五五五筒(中張牌暗刻)4符 + カンチャン待ち2符 = 28符 → 30符
問題3
条件: 子のロン、東場の南家、中の単騎待ちで中をロン
基本符20(副露あり) + 九九九萬(么九牌明刻)4符 + 白白白(么九牌明刻)4符 + 雀頭(中中=三元牌)2符 + 単騎待ち2符 = 32符 → 40符
よくある質問
Q. 符の切り上げはどのタイミングで行いますか?
すべての符を合計した後に、1の位を切り上げます。例えば32符なら40符、44符なら50符です。ただし、ちょうど30符、40符のような場合は切り上げません。
Q. 平和のツモで符はいくつですか?
20符固定です。通常のツモ符(2符)は加算されません。これは平和の「符がつかない和了」という性質に基づく特例です。
Q. 鳴いた場合の基本符は?
副底の20符です。門前加符(10符)は門前でロンしたときだけ付くため、鳴いた手には付きません。そのうえで、合計が30符に届かない場合は30符に切り上げます。
たとえば全て順子・両面待ち・雀頭が役牌でない鳴き手(いわゆる「食い平和形」)は、ロンなら20符、ツモでも22符なので、どちらも30符として計算します。
Q. 符計算をしなくていいのはいつですか?
5翻以上の手は満貫以上で符に関係なく点数が決まります。また、平和(30符固定/20符固定)と七対子(25符固定)も個別の計算は不要です。実戦では満貫以上になることも多いので、符計算が必要な場面は思ったより少ないです。
Q. 30符と40符で点数はどれくらい違いますか?
30符と40符では点数がおよそ1.3倍変わります。例えば子のロンで3翻の場合、30符なら3,900点、40符なら5,200点です。1,300点の差は小さくないため、符計算ができると有利です。
まとめ
- 符計算は基本符 + メンツ符 + 雀頭符 + 待ち符 + ツモ符の合計
- 基本符は副底20符。門前ロンだけ10符を足して30符。鳴いた手で30符未満なら30符
- 暗刻(特に么九牌)は大きな符を生む
- 両面待ちとシャボ待ちは0符、カンチャン・ペンチャン・単騎は2符
- 平和は30符/20符固定、七対子は25符固定
- 5翻以上は満貫以上で符計算不要
- 合計を出したら1の位を切り上げる